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    2023.3.9

    掃除が必要な理由

    何故、経営者やリーダーは掃除が大切だというのか。掃除という仕事を学問してみる。
    整理・整頓・掃除・清潔・躾これらをまとめて『5S』という。
    これは日本企業独自のもので、欧米ではそれほど知られていないという。
    そのベースにあるのは「掃除をすると社員が成長する」「掃除をすると会社の業績が良くなる」という考え方に基づくもの。
    しかし、日本に於いても5Sの効用が理論的に語られる事はないので、何となく良さそうだという事にとどめず、私なりに理論的にまとめてみようと思う。

    ■掃除が企業にもたらす「効用」とは

    日本には掃除を大切にしている会社が多く存在している。何故かといえば、それは掃除が会社を良くするから。平成24年に実施された「企業経営における清掃、整理・整頓、清潔に関するアンケート」によれば、経営者と従業員で掃除を行っていると答えた企業は、高い割合で「売上が向上した」「社員たちのモラル、チームワーク、連帯感が向上した」と回答している。

    掃除をして身の回りが整えば、仕事の効率がよくなり、生産性がUPする。これは多くの人が想像しやすい直接的な効用である。それ以外に間接的な効用があり、それも合わさって、アンケートの回答にもある「売上の向上」「社員たちのモラル、チームワーク、連帯感の向上」といった効果に繋がると考える。

    この間接的な効用のポイントは「掃除が社員を変える」という点だ。

    ■掃除を通じて三段階で「人財」が育成される

    「掃除が社員を変える」の理由の一つは、掃除を社員が繰り返す事で組織の一体感や仲間意識が養われていく事にある。前述の「社員たちのモラル、チームワーク、連帯感の向上」はここから生まれる。しかし、私が思うに重要なポイントは掃除が社員たちに様々な気付きをもたらす事だ。

    はじめは上司に言われてやむなく掃除を始める社員が大半であるが、身の周りが綺麗になれば素直に嬉しい。掃除はやればやっただけ目に見える形で成果が現れる作業の為、達成感や充実感が得られやすい。
    組織の一体感と、働く個人の達成感や充実感、そして掃除を通じて身の周りの設備や備品に注がれる愛着は、やがて会社全体に対する愛着に育つ。
    それらが相まって、結果、社内のモチベーションが底上げされ、掃除のみならず仕事そのものも一生懸命に取り組むようになる。結果、売上が向上するという理論だ。
    ただ、気を付けなければならないのは、掃除を身の周りに限るとすぐに終わり、やがてマンネリ化がやってくる。
    「何故、掃除なんか」とふと疑問に感じる時が必ずくる。しかし、その疑問を乗り越えて掃除を続けると「他人の為に掃除をする、人に喜んでもらう為に掃除をする」段階に進む。
    つまり、自分の為にとやっていた掃除に対して抱いていたマンネリを他人の為にと意識転換する事で打破していく事になる。
    それまでは、自分の身の周りが綺麗になれば満足と感じていただけのものが、他人が使う共用部も綺麗にしないと満足にならない状態になる。
    ここで生まれるのが「利他の精神」です。

    自分の為だけでなく、他者の為に掃除をするようになる。他者の為に働く事に喜びを感じるようになる。ついには、特定の誰かの為でなく、自分と他人の区別なく「仲間の為、会社の為、お客様の為、社会の為・・・」という意識が芽生える。
    私の尊敬してやまない、稲盛和夫氏も京セラフィロソフィー内で<利他の精神>に触れている。それについてはここでは深く述べることはしないが、成功者はこの精神を大切にしている。
    掃除を通じての三段階の変化とは、
    ①自分の為に自分が懸命になる(利己・自力)
    ②他人の為に懸命になる(利他・自力)
    ③特定の誰かの為だけでなく、全ての人の為にあらゆる事を引き受けて全身全霊で取り組む(利他・他力)
    私が考える理想はこの三段階の社員が共存している状態である。組織全体の視点で考えると①は目の前の仕事に懸命に取り組む人材、②はその仕事が顧客の為になっているか判断するのに適した人材、③はさらに広く長期的な視点であらゆる課題を持ち込む人材であると言い換える事ができる。

    これが強い企業に不可欠な「三種の人財」である。

    ■本やネットでは身につかない「まず、やってみる」の姿勢

    会社が良くなるので掃除をしましょう!新人はまず掃除から!と言ったところで、大半の人が疑問を持ち続けるものだと思うし、これを実践している私は経験的に感じている。
    何故なら会社を良くする方法は掃除以外にもあるし、掃除をしたからといって効果がすぐに目に見える形で現れるものでもない。
    そもそも仕事と掃除は直接的に関係のないものであり、「掃除をしろ!」と言われても納得できないのも理解できる。
    「会社を良くする」意味での掃除は「手段志向」で行う必要がある。手段志向とは、特定の目的と直結していない、また結果との因果関係が明らかではない手段を大切にする事である。一言でいうと「まず、やってみる」という考え方だ。
    事前に目的を説明できない事を現代人は敬遠しがちである。私は古人に近い思考の為、容易に受け入れられるが、現代は「目的志向」がメジャーである。
    私たちは沢山の知識を本やネットから吸収し、「この結果が得られるから、このプロセスを踏もう」と意思決定しがちである。
    ある意味、頭でっかちな状態になっている。すると「まず、やってみる」事がとたんに難しくなる。
    そんな現代で社員に掃除をしてもらう為には、社員に命じる前に経営者自ら掃除をして見せる事が大切だと考え、私は実践してきている。ここにも「まず、やってみる」が存在する。
    そして「まず、やってみる」事でしか得られない知識というのが存在する事に気付く。
    知識には暗黙知と形式知というものがあり、形式知を頭で学ぶ知識だとするなら、暗黙知は身体で学ぶ知識と言い換えられる。掃除は暗黙知に属する。
    暗黙知は身体を通じて得られるものであり、本やネットで読んだだけでは身に付くことはない。頭に偏らず、身体も動かして知識のバランスをとる。その為に誰でもできる掃除がとても有効だと考える。
    イエローハットの創業者の鍵山秀三郎氏も「新宿掃除の会」というものを組織し、掃除を大切にしている成功者の一人だ。

    ■トイレ掃除が「経営哲学」を伝える契機になると信じている

    掃除のなかでも特にトイレ掃除には、掃除の効用が凝縮されていると感じる。理由はトイレは共用部であるという事と、排泄をする場所であるから。
    つまり、トイレはあなたの場所でもあり、私の場所でもある。或いは私がやらなくてもいいし、あなたがやらなくても良い掃除とも言える。
    トイレが綺麗な会社は凄く綺麗であり、汚い会社は凄く汚い。両極の差が出るのはこれが理由である。
    会社に掃除の文化が根付いているかどうかは、トイレを見れば全て分かるという理由がこれだと考える。
    その為か、カリスマといわれる経営者がトイレ掃除を大切にしている例がいくつもある。
    前述のイエローハット創業者の鍵山秀三郎氏は「凡事徹底(当たり前の事を徹底して行う)」「率先垂範(自ら手本を示す事)」と言った自らの経営哲学を自分の姿から学んで欲しいと、トイレ掃除を始めた。10年以上もトイレ掃除を一人でして、会社全体も掃除して、やがては社員も巻き込みながら会社の周辺まで掃除をするようになった。

    日本電産創業者の永守重信氏もトイレ掃除や5Sを非常に大切にする事で知られ、新入社員や買収した会社の社員にはまず1年間掃除をさせる。日本電産の経営理念である「品質第一」の実現に欠かせない、品質維持の習慣を実地で学ばせている。

    私が面白いと感じるのは、経営者それぞれがトイレ掃除に求めるものが違うという事だ。
    掃除をする人に独自解があるだけである。
    その為、掃除によって社員が変わるという話しをしたが、変わるのは社員だけでなく、経営者自身が「経営者としてどう仕事に向き合うか」「会社として何を大切にするのか」を考え、それを社員に伝える良い材料になると考えている。

    私は、掃除を「仕事と同等に重要なもの」として考え、掃除は一大事業であり、また掃除一つできないような人間には何もできないと考えている。誰にでもできる事を自ら実践し、いかに段取り良くできるかを考える事が仕事面での成長に繋がると信じている。
    拭き掃除ひとつとっても、雑巾をきちんと絞らないと、水滴が残りかえって汚くなってしまうように、さまざまな気付きを得ながら視野を広げていく事ができる。
    どんな仕事でも、どんな単純作業でも、真心を込めてやらないと具合が良くない。
    人と人との出会いを大切にし、不動産という「モノ」を売るのではなく、ライフスタイルという「価値」を提供する事を社是としている私たちに、利他の精神と真心がなければ、到底実行する事は不可能に思う。

    ■まとめ

    掃除の効用は社員にとってすぐ腑に落ちるものではないかもしれないが、それでも「まず、やってみる」そして「やれば、わかる」。掃除をし続ける事によって社員が育ち、会社が成長する。また、掃除は社員個人の人生をも変え得るものである。
    私が実践して考え方が変わったように。
    ここに掃除が必要な理由があると考える。

    これを最後まで読み、理解をしたのであれば、形式知に留めず、暗黙知に昇華してもらいたい。「まず、やってみる」だ。

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